皐月賞
皐月賞は、降雨で追い込み馬には不利とされる不良馬場での施行となった。
シービーは道中16-17番手を進むと、
向正面から先行馬を捉えに上がっていき
、
最終コーナーでは先頭を行っていたカツラギエースの直後に付けた。
最後の直線に入ると早々に先頭に立ち、
直後に追い込んできたメジロモンスニーを半馬身抑えて優勝。
クラシック最初の一冠を獲得した。
東京優駿
東京優駿では、単勝オッズ1.9倍の圧倒的1番人気に支持された。
20を優に越える頭数で行われていた当時のダービーには
「10番手以内で第1コーナーを回らなければ勝てない」とされた
「ダービーポジション」というジンクスがあった。
しかしシービーはスタートで出遅れて最後方からの運びとなり、
道中は先頭から20馬身程度離れた17番手を進んだ。
その後、向正面出口から徐々に進出すると、
第3コーナー出口の地点では先頭から6番手の位置まで押し上げた。
しかし最終コーナーに入った地点で、
外に斜行してきたタケノヒエンを回避した際、
さらに外を走っていたキクノフラッシュと衝突した上、
後方から進出してきたニシノスキーの進路を横切る形となった。
ミスターシービーはそこから体勢を立て直して先行勢を追走すると、
内で粘るビンゴカンタを一気に交わし、
そのままゴールまで駆け抜けて1位で入線した。
皐月賞に続き、2着にも追い込んだメジロモンスニーが入った。
菊花賞
菊花賞では1番人気に支持されたが、スタミナ豊富とは言えず、
本競走にも敗れていた父の印象から、3000mという長距離に対する不安説も出ていた。
スタートが切られると、道中は1000m通過59秒4という速めのペースの中、
最後方を進んだ。
しかし周回2周目の第3コーナー上り坂から先行馬を次々と交わしていくと、
ゆっくり下ることがセオリーとされる最終コーナーの下り坂を、
加速しながら先頭に立った。
このレース運びに観客スタンドからは大きなどよめきが起こり、
また関係者からも驚きの反応が出た。
しかしシービーは大きなリードを保ち続けて最後の直線を逃げ切り、
1964年のシンザン以来19年振りとなる、
史上3頭目の中央競馬クラシック三冠を達成した。
父内国産馬が三冠馬となったのは、日本競馬史上初めてのことである。